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♪ 第75話 Messiaen, Olivier [現代]

♪ Messiaen, Olivier (1908~1992 フランス)

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 世の終わりのための四重奏曲   ★★★
2. トゥーランガリーラ交響曲    ★★★
3. 幼な児イエスにそそぐ20の眼差し ★★
4. アーメンの幻影         ★★
5. 鳥のカタログ          ★★
(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


今の僕があらゆる作曲家の中でもっとも好きな一人です。もっとも専門家から言わせれば「音楽史の上で新しい何かを生み出したわけではない」という評もあるわけで、それはそれでもっともではあります。でも僕のような単なる音楽愛好家にとっては、そんなことはどうでもいいことなんですな。オーケストレーションの見事さ、色彩の豊かさ、現代的な書法を用いながらもある種のわかりやすさを兼ね備えているところなど、自分が深く感心・感動してしまう要素を多く持っているわけで。

さて、笹崎青年とMessiaenの出会いは、これまた東京文化会館。高校2~3年のときだったかな。通い始めてわりとすぐにトゥーランガリーラ交響曲を聴いています。もう色彩の洪水が脳天直撃。オンド・マルトゥノというへんてこな電子楽器の音色、超絶技巧を続けるピアノ・ソロ、5楽章と10楽章の全楽器クレッシェンドにもやられまくり。そして電話帳のようなスコア。あっという間にこの曲のとりことなります。こんな曲が世の中に存在するとは、なんと素晴らしいことか。

こうなるとほかの曲も聴いてみないと気が済まないわけですよ。「天の都市の色彩」「クロノクロミー」をエアチェックで聴き、「キリストの昇天」は生で聴き、「鳥たちの目覚め」「異国の鳥たち」「7つの俳諧」(個人的に「ホーホケキョ」と呼んでいる)「われ死者の復活を待ち望む」「峡谷から星々へ」「我らの主イエズス・キリストの変容」、このあたりのオーケストラ曲を上野文化会館で次々と聴破。

おそらく「トゥーランガリーラ交響曲」と並んで有名な「世の終わりのための四重奏曲」は、オーケストラ曲に続いて大学1年までには聴いたと記憶しています。これも東京文化会館だったかな、それともエアチェックだったかな。大学1年のとき選択科目でと
った石田一志先生(有名な現代音楽評論家)の授業でも聴いた記憶が。

1987年3月。僕が大学4年になろうというとき、岩城宏之さんの指揮、早稲田大学交響楽団(通称ワセオケ)の演奏で「トゥーランガリーラ交響曲」アマチュア世界初演がありました。アマチュアでこの超難曲を! しかも大熱演だったことを覚えています。細かいことはいろいろあったんだろうけれど、その熱意に心を大きく揺り動かされたことはいうまでもありません。

今思えば、この演奏は、以降の自分の方向を変える出来事だったと思います。自分にとっては音楽人生最大の転機となった小出先生とのジュネスの数か月後、というタイミングも、ワセオケの演奏会が自分の中での位置づけの重要性を上げるプラス要因になったのかもしれません。「アマチュアだからこそできることは何なのか」。すぐに答えは出なかったけれど、何をすべきかということを考え始めたきっかけは、確かにこの演奏会にありました。「自分もアマチュアのはしくれとして存在しているわけだけれど、まだまだやれることがあるんじゃないのか。発想をもっと大きく広げることで、何かが見えては来ないだろうか」。

続いて、社会人になって数年目のこと。ERATOから「Messiaen主要作品大全集」が発売。当時のCDは高価だったよね。国内盤1枚3500円くらいした記憶が。まさか後に国内盤で出ると思わなかったので、輸入盤で購入。18枚組で4~5万円の出費だったと思います。いや、もっとしたかも。それはもう清水の舞台からバンジージャンプする(略語=きよぶたバンジー)気持ちで購入しましたですよ。値段の話はさておき、たぶんこのときがMessiaenのオルガン曲をまともに聴いた初めての経験だったように思います。

それから先は高価なスコアを少しずつ買い揃えていきます。楽譜屋さんの半額セールを狙うなど、涙ぐましい努力。とくに苦労したのは「鳥のカタログ」とオルガン曲。「鳥のカタログ」なんて8分冊。しかも1冊1冊が高価すぎですよ。揃えている途中は、どの分冊を持っていてどれが購入予定なのかわからなくなりがちなので、常にメモを持ち歩いていましたよ(今も。それでもときたま間違って買ってしまう・・・)。

ちょうど「鳥のカタログ」が全巻揃ったところで、アナトール・ウゴルスキが演奏しにやってきました。ジャスト・タイミング。武蔵野市民文化会館でしたね。当然行きました。1999年4月だったかな。なんでもウゴルスキは複雑な曲は音符を3色で塗り分けて演奏するんだとか。きっとナチュラル、シャープ、フラットで塗り分けるんだろうね(待てよ、ダブルシャープやダブルフラットは? )。僕もたまにやりますよ。弾けないことを理由に省略する音をホワイトで塗ったり・・・。

話を元に戻して、と。最近、ようやく歌劇「聖アッシジのフランチェスコ」のスコアもゲット。笹崎家最重量スコアですな。8分冊で合計15kgくらいはあると思われます。でかすぎるので専用ダンボールにて保管中。ということで、主要曲はあと「天より来たりし都市」1曲を揃えると完了であります。楽譜図書館開業できるか? 


笹崎の好きな曲Best5
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

1. トゥーランガリーラ交響曲      この曲が自分の音楽人生を大きく変えたのは間違いない
2. 幼な子イエスにそそぐ20のまなざし たったピアノ1台から大宇宙の広がりを感じてしまう
3. アーメンの幻想           どうやったらこんな素敵な和音が? 色彩が見事に変化する
4. 鳥のカタログ            鳥に詳しくなくても、目の前に自然の光が広がってくるのです
5. 峡谷から星たちへ          そもそもテューバってこんな音が出せるわけ?! 

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好きな曲がたくさんあるので、どれを選ぶか迷いました。オルガン曲、1曲は入れたかったのですが。
「世の終わり」がランキングに入っていない時点でそうとう迷ったのだ、ということで。


次回は、MilhaudとMompou。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★        今月の呼び出し          ★
★                         ★
★    「ちょっと2~3分いい?」は       ★
★     たいがい10分以上かかる        ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

A「ちょっと10秒いい? 」
B「・・・・・・」
A「ねえ? ちょっと10秒だけ・・・」
B「・・・10秒経ったけど、何か」


では、また。

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♪ 第74話 Mendelssohn-Bartholdy, Felix [古典]

♪ Mendelsshohn-Bartholdy, Felix (1809~1847 ドイツ)

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 「真夏の夜の夢」結婚行進曲   ★★★★★
2. ヴァイオリン協奏曲       ★★★★
3. 春の歌             ★★★★
4. ヴェネツィアの舟歌op.30-6    ★★★
5. 歌の翼に            ★★★


(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

初めてのMendelssohnは、きっと「結婚行進曲」。この曲を知らない人はまずいないと思いますが、普通どこで知るんですかね? テレビからかな。

笹崎は、これともう1曲、「ピアノ名曲集」みたいなレコードに入っていた「春の歌」を幼年期に聴いて育ちます。小学校の頃は結構この曲が好きで、けっこう弾いていたんじゃないかな。その後は、全音ピアノ・ピースに入っている曲をいくつか購入して弾いていました。それでも中学までに知っていた曲は、「無言歌集」から何曲か(狩の歌、ヴェネツィアの舟歌など)と、「ロンド・カプリチオーソ」くらいのもの。ロンカプは好きでした。なんとなくかっこいいし。ああ、あと歌曲の伴奏は何曲かやったかもしれません。「歌の翼に」とか。あ、あとヴァイオリン協奏曲はさすがにちょっとは知ってました。これは幼い時からレコード聴いてたからかな。

高校生になってから、ようやく管弦楽作品と出会います。家にあった管弦楽作品のレコードは交響曲第4番「イタリア」とヴァイオリン協奏曲くらいだったのですが、エアチェックで「真夏の夜の夢」、交響曲第3番「スコットランド」、序曲「フィンガルの洞窟」などのメジャー作品とも出会います。「真夏の夜の夢」、気に入りましたね。とくに「序曲」と「夜想曲」。体育会的音楽観時代に「夜想曲」のような静かな曲を好きになるのは珍しかったのですが、なんでですかね。逆に「結婚行進曲」は、もしかしてこの転調は無理やりでは、と思うようになったまま今日に至ります。

大学時代は、そんなに進展なし。序曲「フィンガルの洞窟」のマンドリン・オーケストラ編曲版を指揮したことくらいか。えーと、正直、ちょっと忘れたい。

社会人になってからだったか、それとも大学3~4年くらいだったか。「弦楽八重奏曲」「ピアノ三重奏曲第1番」「チェロ・ソナタ第2番」、このあたりと出会います。なぜ急に室内楽を聴きたくなったのかは覚えていませんが、いずれにしてもこの作曲家とBrahmsの室内楽曲が気に入ったことがきっかけとなり、一気にほかの作曲家の室内楽曲も聴いたのでした。とくに「弦楽八重奏曲」は大のお気に入りのまま、今に至ります。

社会人になって、いつだったか合唱曲に興味関心が移った時期があり、その中で、ミシェル・コルボ指揮の宗教曲集に出会います。とくに気に入ったのが「エリア」。はっきり言って、今でも序奏と1曲目くらいしか覚えてませんが、これが印象的。とくに、フーガが盛り上がって合唱に突入するところのかっこよさと言ったら。

その後の開拓は、少々マイナーなピアノ曲の譜面を購入したり、歌曲を聴いたり、宗教曲をさまざま聴いたりするくらいで推移。歌劇もちょっとあるようですが未聴。演奏面では、「弦楽の交響曲第8番」を編曲して指揮したのと(小編成のマンドリン・オーケストラに合うと感じた数少ない曲です)、交響曲第3番「スコットランド」のオケ下振りをしたくらい。

最近思うのは、Mendelssohnの演奏スタイルについて。なんていうのかな、例えになってるかどうかわからないんだけど、みんな「さらさらヘアのソバージュよ~ん」みたいな演奏するじゃない(やっぱり例えになってないか)? たとえばヴァイオリン協奏曲とかピアノ三重奏曲第1番なんてさあ、速くて甘ったるい解釈ばっかりじゃない。Mendelssohnの楽曲って、いわゆるドイツ的に対位法的にがっちり組まれているわけではないにしても、印象以上にしっかり書かれているんだと思うんですよね。もうちょっと古典的にというか、ロマンチックに流しすぎない演奏スタイルがふさわしいと思うんですが、どんなもんでしょう。

笹崎の好きな曲Best5
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1. 弦楽八重奏曲          これはすばらしい。これを16歳のときに書き上げるとは、いったい
2. 付随音楽「真夏の夜の夢」    「序曲」の妖精の音楽とでも言うべき部分と「夜想曲」がお気に入り
3. ピアノ三重奏曲第1番      あんまり速くないどっしりとした演奏が好きなのですが、みんなさらさらヘアー
4. 交響曲第3番「スコットランド」 4楽章コーダはどうして?という感じがするのですが、そこまでは好き
5. 交響曲第4番「イタリア」    第1楽章はイ長調なのに終楽章はイ短調というあたりがそこはかとなくいい

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けっこう宗教曲も好き。エリアとか詩篇第42番とか、マイナーなところでは「ああ、血潮にまみれし主の御頭」なんかいいですね。ああそうですね、「教会音楽op.23」とか「3つの詩篇op.78」とか、いいですねえ。ほか、室内楽だとチェロ・ソナタ第2番とか、これもいいですねえ。歌曲も・・・


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